ガルバナムについて

ガルバナム（Ferula galbaniflua）は芳香性のあるガム樹脂で、主にFerula gummosa（同義語 F. galbaniflua）やFerula rubricaulisなどのペルシャ原産のセリ科の植物に由来します。ガルバナムを産する植物は、イランの北部、中央部、南部、西部、東部、トルコの南部および東部、アフガニスタンの西部、タジキスタン、トルクメニスタンの山地の斜面に豊富に自生しています。この樹脂は通常、硬くまたは柔らかく、不規則な形状で、ある程度透明で光沢のある塊状、または時折独立した涙状で、淡褐色、黄色味を帯びた色、または緑がかった黄色の色調を持っています。ガルバナムは苦味があり、特有の強烈で持続性のある緑の香りを放ちます。

比重1.212で、約8％のテルペン類、硫黄を含む約65％の樹脂、約20％のガム、および非常に少量の無色の結晶物質ウンベリフェロンが含まれています。また、以下の成分も含まれています。

• α-ピネン

• β-ピネン

• リモネン

• カジネン

• 3-カレン

• オシメン

• サビネン​

ガルバナム精油の役割

ガルバナム精油は、その独特な緑、ウッディ、アーシーな香りで、香水の世界で高く評価されています。ガルバナム オイル フレグランスの主力製品であるこの精油は、特有の香りのプロファイルだけでなく、豊かな歴史と綿密な抽出プロセスでも際立っています。本記事では、ガルバナム精油の古代のルーツから、現代の香水製作への応用まで、その魅力的な旅路を探ります。

​

香水における役割

ガルバナム精油は香水作りで重要な役割を果たしており、その深みとキャラクターを加えるために高く評価されています。シプレ系やフゼア系の香水においては、その緑とウッディなノートが全体の調和と洗練を高め、香りにナチュラルな新鮮さを加えることで、甘いフローラルやフルーティーなノートとのバランスを取る役割も果たしています。

​

ガルバナム オイル フレグランスの貢献

ガルバナム オイル フレグランスでは、高品質のガルバナム精油の生産に誇りを持っています。持続可能な調達と綿密な抽出を通じて、すべてのオイルが純粋で強力な香りを保つようにしています。この特別な成分を提供することで、調香師が市場で際立つ独自で魅力的な香りを創り出すことができるのです。

​

グループ：グリーン、ハーブ、フゼア系

香りのプロファイル：強烈で持続性のある苦味のある緑の香り、新鮮でウッディ、粘り強い

ガルバナムは現代香水の製造で使用されることもあり、「マスト」（カルティエ）、「ヴァン ヴェール」（バルマン）、「シャネル No.19」、「ヴォル ドゥ ニュイ」（ゲラン）、および「シルバー マウンテン ウォーター」（クリード）などの香りに特有の匂いを与える成分です。特に1945年にバルマンから初めて発売された「ヴァン ヴェール」により、ガルバナムはモダン香水の「グリーン」ファミリーの起源と見なされています。ガルバナム アブソリュートは茶色の粘性液体で、植物のガムオレオ樹脂から溶剤抽出によって得られ、空気にわずかでも触れると樹脂化する傾向があります。香りのプロファイルはアンバーグリーンで、甘く、バルサミックで、樹脂の香りがフレッシュさを持ち、「ガルバナム オイルがラブダナムと混ざったような香り」と表現されることがあります。香水構成においてはベースノートとして作用し、ナチュラルなグリーンベースノートの一つです。その甘さと緑の両方の特性により、「シプレ グリーン」、「フローラル グリーン」、「シプレ コニファラス」、「ウッディ フゼア」および「アクアティック フゼア」の特別なエフェクトを生み出す役割を果たしています。

​

ガルバナムについての重要なポイント

• 樹脂源：ガルバナムは、Ferula gummosa および Ferula galbaniflua のガム樹脂から得られ、中東地域に自生しています。

• 芳香特性：強いバルサミックでハーバルな香りで知られており、香水業界で貴重な成分とされています。

• 歴史的な使用：古代エジプトやローマの文化で、香りや薬効成分として利用されてきた歴史があります。

• 香水：香水においては、定着剤や緑でフレッシュなノートとして用いられ、香りの複雑さに寄与します。

• 医療用途：伝統的に、抗炎症作用を含む可能性のある治療特性のために伝統医療で使用されてきました。

• 収穫：植物の茎に切り込みを入れて樹脂を採取し、集めて加工する方法で得られます。ガルバナムは、その独特な香りと歴史的な重要性のため、さまざまな業界で求められる成分です。